共感

コミュニケーションについて語られるとき、なにげなくつかわれることばに、「共感」というのがある。「共感していることを相手に伝えることが大切」、「共感を呼ぶようなことを伝えよう」そういうことを聞くし、言うこともある。でも、そもそも「共感」とは…

クリームティー

イギリス留学をして、「イギリスの食事はマズい」というイメージは「その通りだ」と思える出会いと、「いやいや、美味しいものもあるぞ」と認識を改めるようになった出会いがあった。大学のカレッジの食堂のサラダは、結構美味しい。種類も豊富だし、鯖の燻…

住所印

近くの商店街に、昔からあるような印鑑屋さんがある。既製品も売っているし、なくても注文すれば、店主のオジサンが印鑑を掘ってくれるようだ。店の看板の文字は印鑑屋さんらしく、篆書体(「てんしょたい」というこの言葉は今日調べて改めて知った)。ゴム…

学校掃除

大学生の頃に研究していた、日本の清掃・掃除文化の一環として、一時期学校掃除について調べていた。日本の学校教育を受けた人のほとんどが、学校掃除の経験がある。だから、誰でもインタビュイーになれた。それでとにかく身の回りの色々な人に、学校の掃除…

誰の咳

スポーツジムで好きなだけ運動したあと帰り道をのんびり歩いていたら、小学生男子四人組が、楽しそうにおしゃべりしながら歩いてきて、近くにとめていた自転車にそれぞれ乗ろうとしてた。 自転車のスタンドを足で蹴り上げ、サドルに跨ろうとした瞬間、一人が…

豆追う犬

節分だ。こよみの上で何かしらの区切りの日なら、それにちなんだ気の利いたことを書きたかったが、あいにく、あまり節分にちなんだことはあまり思い浮かばなかった。でも、豆まきで言えば、以前実家で飼っていたやんちゃなダックスフントが、毎年豆まきをす…

飴を噛まない

友達のお母さんに、自他ともに認めるほどの、せっかちな人がいる。どれくらいかというと、洗剤などが入っているスプレーは、持ち手の握りこむところを素早く動かしすぎて、中身の洗剤を使い切る前に容器を壊してしまうほどだという。 わたしは、どちらだろう…

思い出のレストラン

夫が転職して、土日休みじゃなくなりかわりに平日に休みの日が来るようになって、二人で出かけやすくなった。土日が休みだと、どこへ出かけても混雑するが、平日だと、比較的ゆとりをもって外出ができるし、予約なしでもけっこう良いレストランに入れる。 今…

納豆茶漬け

北大路魯山人の書いたものをあれこれ読んでいると、お茶漬けがなんども出てくる。納豆茶漬け、のり茶漬け、マグロ茶漬け、塩鮭・塩鱒茶漬けなどなど・・・。その中でも、一番想像がつかなかったのが、納豆茶漬けだ。納豆ご飯はもちろん食べたことがあるし、…

『にほん語観察ノート』

図書館に行ってきた。いろんな分野で四冊借りたが、そのうちの一冊は、井上ひさしの『にほん語観察ノート』だ。読売新聞の日曜版に連載されていたものがまとめられた本で、一編一編は短い。ああ、こういう文章、良いなあと思う。 まだ読み始めだが、「文章上…

冬のスポーツ

この間北海道に行った時、スキー場まで行って結局滑れなかったことを書いた(11月24日記事)。それのリベンジを果たそうと、今、夫と二人で計画中だ。今度こそ、滑ってやる! 思い返せば、スキーは、大学一年生の頃、一度大学のサークルの仲間と行ったきりだ…

上野公園と田舎

天気も良かったので、散歩がてら、上野公園まで行ってきた。 そうしたら、とにかく、人、人、人! 週末というのもあるし、春節だからか、中国系の観光客がすごかった。団体さんだらけだった。気温も高めだし、梅が咲いていたりして、公園は賑わっていた。美…

「アイデンティティ」

わたしは、「アイデンティティ」という言葉に、中学生の頃に出会った。学校の、校長講話で、ほとんど毎回、校長先生が話題に出していた言葉だった。「アイデンティティ」という英語を和訳するなら「自己同一性」である、自分が自分であるということだ、とい…

8/3は何月何日?

ページ構成がカチッと決まった、いわゆる手帳というものを使わなくなって、二冊目のノートに入る。一冊目は、必要になった時にその月のカレンダーを手書きしていたのだけれども、そうすると数ヶ月先という予定が全然見えなかったので、今回は、ノートの最初…

ペダルが踏めない

新しく、ミシンを買ってもらった。ぬかを入れたアイマスクなどを手縫いしていたけれど、これからはミシンでガンガン作れそう。ぬかが漏れないように目を細かくして縫うのは大変だったので、それを解消できるのは嬉しい。 一緒に買ったのが、足で踏み込むペダ…

フクロウ印

「実家でフクロウを飼っている」「フクロウが好き」そんな風に人に話していたら、お土産や何かの折のプレゼントに、フクロウがモチーフとなっているものを戴くことが増えた。送られてくる絵葉書だったり、文房具だったり、小物類だったり、なるほど、世の中…

早春ハンター

今日は昨日よりうんと寒くて、風がビュンビュンしていた。こんな日こそ、春の訪れが近いことを感じたい、体を動かして体の内側から温まりたい。そう思って、春のハンターの装備を揃え、自転車に乗った。 春のハンターの装備とは、川辺などに生える野草を採る…

歌っていた頃

わたしは歌が好き、というと、「じゃあカラオケも好き?」と聞かれることが多い。実際、歌が好きな人ならカラオケが好きな人も多いだろう。でも、わたしは実は、そこまでカラオケが好きではない。むしろ、どちらかといえば苦手な方だ。 カラオケが苦手な一つ…

季節のことば

手紙を、書いた。会ったことない憧れの方に、お願い事をするためのものだったから、けっこうちゃんと書きたい手紙だった。 本文は、まぁまぁ書ける。でも、手紙の冒頭おきまりの、季節の挨拶というのが、難しかった。経験が少ないというのが大きい。ただ「寒…

赤い白亜と緑の黒板

母との仕事の打ち合わせの帰り道、学習塾の横を通ると、奥の黒板に懸命に字を書く先生と、机に向かう生徒の背中が窓越しに見えた。この冬受験をする生徒の最後の追い上げだろうか。それとも、来年試験を受ける者達だろうか。 久々に黒板というものを見て、ふ…

フライパン怖い

「まんじゅうこわい」的なネタではない。フライパンが、わたしを襲ったのだ。 誰かがフライパン持ってわたしに襲い掛かった、とかそういうわけではない。ある日のこと、夕飯にホイコーローを作るべくフライパンでいつもより多めのキャベツを炒めていた。キャ…

トイレの文化人類学

わたしがトイレに興味あるというのは、このブログを始めた頃にも書いたけれど(「秘密主義とトイレ」)、じつは大学生の頃、卒論の研究は「トイレの文化人類学」にしようと思っていた。トイレは、ただ排泄するためだけの場所じゃない、一人になって落ち着い…

百の物語

いよいよ、この記事でブログは100投稿になる。毎日投稿すると決めてから、もちろん何人の方が読んでくださっているかというのは気にしていたけれど、それよりも、「100投稿を目指す」というのが大きな目標だった。だから、今日という日を迎えられて、ほんと…

音に囲まれて

わたしは、音に敏感だ。神経が高ぶっているときは、隣の部屋にある時計の秒針の音すら、耳障りに聞こえてしまう。今は、エアコンの機械音、時計の音、冷蔵庫の音、自分のタイピングの音、外で車が走る音、自転車のブレーキの音、そして、近くの三味線教室の…

ロボットとヒトとコトバ

今読んでいる本の一つが、ブライアン・クリスチャン著『機械より人間らしくなれるか?』という本だ。原題は "The Most Human Human"。壁の向こうでチャットしている相手が、思考することができる人工知能(ボット)なのか、人間なのかを、審判員がチャットを…

試験の緊張

こんなに寒い日がセンター試験というのは、受験生も大変だ。いまの日本社会ではやっぱり「どこの大学に行ったか」が人生を変える大きなきっかけの一つになりうる。もちろん、そうじゃない場合も多いけれど。大学でどんな人と出会って、どんな本に出会って、…

トンコツ!

近くのスーパーで、豚の軟骨を買った。大根と一緒に、こっくり甘めに煮るために。下茹でとして、豚の軟骨をたっぷりのスライス生姜と、ちょっとしか無かったネギと一緒に圧力鍋で30分弱加圧して、茹で汁から出し、調味料と、別に下茹でした大根と一緒にまだ…

半端な水をどう使うか

先日作った、あったかヌカ袋、夫のリクエストで第二号を作った。もう切って使える古着の袖もなかったので、ダイソーで買ってきたバンダナを二重に折って、それを袋状に縫って作った(写真左奥)。袖を縫うよりも、縫う距離が長くて、ミシンが欲しくなった。…

ペルソナ5をプレイ:現実はどこへ

この連休、夫が去年買った、「ペルソナ5」というゲームで遊んでいた。ネタバレは避けたいし、詳しいことは書かないが、主人公たちが「現実世界」と「認知上の世界」を行き来しながら世直しをしようとするストーリー。わたしはまだこのゲームを始めて序盤の…

立川談春『赤めだか』

高校生の青年が、聴く者を容赦なく自分の世界に叩き込む談志の芸に圧倒された。志ん朝の落語は上手くて感動的だが、談志は凄い。青年は高校を中退、門を叩いた。彼こそ、今日最もチケットが取れない落語家、立川談春。 落語の世界では、マトモなことを言い正…