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ゲームで記憶術

ゲーム 記憶術 エッセイ

 ゲームで記憶力をあげる、というと、なんだかマユツバのテクニックに聞こえる気がするが、最近、ゲームを記憶の補助に使えるんじゃないか、と考えている。

 考えるきっかけになったのは、BBCのドラマ、『シャーロック』。主人公のシャーロックは、脳内にMind Palace(精神の宮殿)なるものを持っていて、そこであらゆる情報を記憶・管理している。集中すると自分の精神世界に入れて、そこで過去の記録を辿ったりできるのだ。また、アメリカのドラマ『メンタリスト』の主人公、ジェーンもまたMemory Palace(記憶の宮殿)を持っていて、トランプやモノの並びを瞬く間に記憶してしまったり、その記憶術を同僚に伝授して、同僚にもその技術を応用させたりしている。f:id:fukurowl:20161013104932j:plain

 さて、その精神、あるいは記憶の宮殿の大切なポイントの一つは、自分が脳内で自由に歩き回れる場所をくっきりと思い浮かべられるか、ということだ。自宅のリビングとか、家から駅までの道のりとか、好きな美術館とか、場所はなんだって良いのだけれど、脳内でどれだけくっきりと思い出せるかが難しい。そこで使えるのが、ゲームの世界だ。

 ゲームの世界は、話しかけられたり、アクションをしたりできる場所(オブジェクト)は限られていて、しかもゲームプレイ中に繰り返し行われることが多い。探索をするために細かいところまでゲームキャラとしていろいろに歩いてみて、話しかけて、アイテムを探して、イベントがあって、というのを、やりこんだゲームならけっこう覚えているものなのだ。

 わたしにとって、脳内で自由に歩ける場所が、前回も書いた、ゼルダの伝説シリーズの『ムジュラの仮面』に出てくる街、クロックタウンだ。あのゲームは、どれだけやりこんだかわからないほど遊んだ。目を瞑れば、ゲームを起動してセーブデータをロードすると、主人公リンクはクロックタウン南に時計塔の前に立っていて、正面には大工が建設途中のやぐらがあって、その奥にある階段からキータンのお面をかぶったカーフェイが出てきて手紙をポストに入れて、その手前を右に曲がるとクロックタウンの西エリアに入って・・・と、かなり細かく思い出せる。キャラがどんな声を出すか、どこに行くとどんなBGMに切り替わるか、といった情報も一緒に出てくる。これは、記憶の宮殿にぴったりではないか! 

 同様に、NINTENDO64の『牧場物語2』の世界も、かなり詳細に思い出せる。牧場を出ると五叉路になっていて、上は山、左上はぶどう農園、その横は町につながっていて、右側に花屋、左側にケーキ屋・・・といった感じだ。かなりルーティーンになりやすいゲームなので、いつも歩くコースもすっかり出来上がっている。ここも、わたしの記憶の宮殿になりうるだろう。

 一方、最近遊んだ『ゼノブレイド』や『ゼノブレイドX』は、街が詳細すぎて難しかった。けっこう遊んだけれど、未だに町の中で迷子になる。街の造りが複雑なうえに、登場するキャラも多い。そもそも『ムジュラの仮面』と『ゼノブレイド』ではやりこみ時間が違うから単純な比較はできないけれど、NINTENDO64の頃くらいのゲームのほうが、最初は向いているのかもしれない。(とはいえ、ゼノブレイドXNLAを記憶の宮殿に落とし込めたら、かなりの容量の記憶ができそうだ)

 

 さあ、わたしのケチなところは、自分のメモリーパレスを築く準備は万端だというのに、「何を記憶するか」を決められずにいるところ。あのシャーロックですら、記憶を厳選するために惑星の知識は消去している。シーズン3に出てきたマグヌセンはシャーロックを凌駕する精神の宮殿を持っているようだったが、わたしはそれだけの宮殿はもっていない。やっぱり厳選が必要だろう。

 ゲームの世界の詳細な地図を覚えているということそのものが「余計な記憶」かもしれないが、せっかくもっている記憶だから有効活用したい。今後、この<ゲームの世界を記憶の宮殿にする>プロジェクトに進展が見られたら、また書いてみたいと思う。

 

 ※なお、わたしが記憶の宮殿の築き方を学んだのは、以下のサイトです(英語)。

How to Build a Memory Palace (with Sample) - wikiHow