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オトナとコドモの定義

 オトナとコドモを分ける定義は、いろいろ存在する。生物学的にも、社会・文化的にも、法律的にも定義ができるし、時代が変わればその定義も変わる。

 でも、仮にここで、「乳歯が永久歯に全て生え変わったかどうか」をオトナとコドモを分ける境界としよう。そうだとすると、わたしはコドモに分類されてしまう。悲しきアラサー。

 これは中学生の頃に発覚したことなのだけれど、ある日虫歯の治療に向けて、歯のレントゲンを撮ったら、周りの歯は永久歯なのに、その歯はまだ乳歯だったうえに、その下に永久歯が待機していなかったのだ。前歯とも奥歯ともいえない、両脇に生える左右の二本の歯が、乳歯だった。永久歯は足りなかった。話を聞くと、父も同様らしいので、遺伝したのかもしれない。とにかく下に永久歯が待機していないなら、その乳歯が抜けてしまったら歯一本分隙間が空いてしまう。それどころか、左右一本ずつ足りないのだから、両方抜けたら二本分の隙間。すきっ歯にもほどがある。それだから、かわいそうな、根の小さい乳歯二本は、隣の歯と銀歯で橋渡しをされて、長いことわたしの歯として役割を果たしてくれていた。

 去年のこと。コンビニの、鶏ごはんおにぎりを食べていたら、ついに片方の乳歯が取れてしまって、さすがにもう戻せなかった。ブリッジで埋めてもらって、対処した。

 それが終わった後も、歯や歯茎を守るために歯医者に通って居た。そのお陰か、もう一本の乳歯はまだまだグラつくことなくわたしの身体の一部として機能してくれている。診てくれる人が歯科医師さんから歯科衛生士さんに変わったとき、さらに一本、歯が足りないことがわかった。下の前歯が普通の人よりさらに少なかったのだ。

 中学の頃から、下の歯が足りないと発覚するまで、引っ越しもあり三箇所の歯医者を渡り歩いた。歯の検診で、虫歯なしとか、どこどこはキケンとか、そういうことも診てもらっていたのに、三箇所目になるまで誰もわたしに前歯が足りないことを教えてくれなかったことには驚いた。それくらい違和感がなかったということもあるけれど。

 以前、「まだ乳歯残っているんですよ〜」と笑い話ついでに会社で話したら、先輩も、同じだった。意外と、こういう人もいるらしい。

 

 歯で見たら、わたしはコドモ。他には、どんな軸があるだろう。どう見ると、どう定義できるだろう。そういうことを柔らかく考えてみるのも、たまには面白い。