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共食い?

猛禽 エッセイ 文化人類学

 以前、人に「猛禽類のエサって何を食べさせるの?」と聞かれて、「ウズラのお肉を食べさせるところが多いんじゃないかな」と答えた。そうしたら「ウズラって、ウズラの卵のこと?」と聞かれたので、「そうじゃなくて、そのウズラの卵を産む、鳥の方だよ」というと、「え、鳥に鳥肉を食べさせるの?共食いじゃん!」と言われた。わたしは、すこし驚いた。

 ライオンやトラがシマウマとかシカを狩って食べるシーンは、テレビなどでも映されるし、よく知られていることだ。でも、鳥が鳥を食べるというのは、イメージがしにくかったのかもしれない。そのイメージのしづらさが、「共食い」という言葉を引き出したのだろう。哺乳類を食べる哺乳類。たくさんいる。なにしろ、わたしたち人間だって、ウシやブタなどの他の哺乳類を食べる。魚類を食べる魚類もいるし、虫を食べる虫もいる。ふくろうにウズラを食べさせるという行為が「共食いじゃん!」と驚かれるのは、不思議なものだ。

 

 「共食い」ではないけれど、「人には人の乳酸菌」というあのコマーシャル、わたしはいつも「人の、っていうことは、どこかの誰かから採取された乳酸菌なのか・・・」と感じてしまう。何々県の誰々さんの乳酸菌です、と言われるよりはぼかしてくれた方が嬉しいが、「人の」と言われると、やっぱりちょっとドキッとする。今時、スーパーなどでは「農家の何々さんが生産したトマトです」みたいに、生産者の顔を見せる傾向が見られるが・・・、どうやらそれとこれとは、話が全く違うようだ。