オリジナル志向

 昔から「◯◯系」とか「◯なタイプ」というように、ざっくりと分類されるのが好きじゃなかった。人とは違っていたいという気持ちを重視する「タイプ」だったと思う。

 だから「ゆとり世代」と言われるのももちろんのこと、「意外と保守的」と言われるのも「リベラルなところあるよね」と言われるのも、あまり好きではなかった。血液型を取り上げて「A型っぽい」というのもムッとしたし、もっと言えば、「女」とか「男」といった属性も含めて、人間を数通りにしか分類しないようなラベリングをされるのが、嫌だったのだと思う。「わたしにはA型っぽくない部分もある」とか、「ゆとり世代だからといってみんな同じような性格じゃない」とか、反発心をもっていた。わたしはわたし、と思っていたかったのかもしれない。たしかに石原さとみは可愛いとは思うけれど、だからといってわたしも石原さとみのようなメイクをしてファッションを真似て、とは思わない。「大勢」の一人になるのがつまらない、という、「中二病」的な考えなのかもしれない。

 でも、自分は自分だ、というのを主張したくて、いろいろやってみることについて何でもかんでも「中二病」と揶揄するのは、どうだろうと思う。それが多少イタいやり方だったとしても、「自分が自分であること」を主張したいというその心は、多いに結構ではないか。それを揶揄して、あくまでまわりと同調するという姿勢の人の方が、わたしには寂しく見えてしまう。