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フクロウ印

猛禽 エッセイ

 「実家でフクロウを飼っている」「フクロウが好き」そんな風に人に話していたら、お土産や何かの折のプレゼントに、フクロウがモチーフとなっているものを戴くことが増えた。送られてくる絵葉書だったり、文房具だったり、小物類だったり、なるほど、世の中にはフクロウがモチーフの製品というのはたくさんあるようだ。しかも、日本国内に限らず、海外旅行へ行った人まで、フクロウのグッズを見つけてくることが多いようだ。フクロウが「知恵の象徴」なのは、ギリシアのミネルバからきているし、他にも、様々な地域で親しまれ、時には恐れられてきた存在のようだ。

 また、都内を歩いていると、お店などの看板のトレードマークに、フクロウが使われていることも多い。雑貨屋さんやカフェを始め、病院系もある。フクロウが眼科の看板に使われているのは、説得力がある。確かにフクロウは目がくるっと大きく、目ヂカラがあるし、実際、夜も獲物を見つけられる高い視力の持ち主だ。目の健康を取り戻す象徴にはちょうど良いのかもしれない。眼鏡屋さんも、似たような理由なんだろうと想像がつく。他にも、内科とか、様々な病院でフクロウ印のところをみたことがある。

 でも、わからないのは、歯医者さんだ。わたしの通う歯医者さんの看板が、フクロウ印なのである。鳥類であるフクロウには、無論、歯は無い。あるのは、肉を切り裂ける強いくちばしだけ。だいたい、咀嚼というのも、しない。なんとなくの想像だと、フクロウから連想される、「見守る者」とか、そういうイメージだろうか。それとも、(歯が無いから)虫歯にならないフクロウにあやかりたいということ?それはちょっと考えにくい。

 だいたい、フクロウという鳥のイメージが、変わりつつある気がする。クマのプーさんでは、100エーカーの森には「オウル」が住んでいて、みんなから何か相談をされたりしている。ゲーム、ゼルダの伝説では、「ケポラゲポラ」が主人公リンクを導く存在として登場する。これらは、フクロウが「人を導く者」というポジションだった。その後、ハリーポッターで登場したシロフクロウ、ヘドウィグは、フクロウを魔女や魔法使いの忠実なお供・呪術的な存在として印象付けた。また、この数年の、フクロウカフェの流行で、「触れるもの」になりつつある。ただの「キャラクター」から、実在する、わたしたちの隣に住みうる存在になってきていると言えるかもしれない。

 「森の孤高の存在」だったフクロウは、これからどうなっていくのだろう。