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クリームティー

くいしんぼう

 イギリス留学をして、「イギリスの食事はマズい」というイメージは「その通りだ」と思える出会いと、「いやいや、美味しいものもあるぞ」と認識を改めるようになった出会いがあった。大学のカレッジの食堂のサラダは、結構美味しい。種類も豊富だし、鯖の燻製が気に入った。でも、チーズグラタンは巨大すぎる上に脂っこく、完食がつらかった。フォーマルディナーは結構気合が入っていて、美味しいものが多い。

 カレッジの食事から遠ざかってみる。チェーン系のカフェのサンドイッチは美味しくないものも多かったけれど、個人のやっているカフェのパンは美味しい。そして何より、スコーンだ。あんなにシンプルな食べ物なのに、スコーンが美味しい。店によって美味しいところとイマイチなところがあるが、ひどいというところは滅多にない。大抵、クロテッドクリームと、ジャムが一緒にくる。それをたっぷりとつけて、食べる。いかにもカロリーの高い食べ物だけれども、スコーンの時は遠慮しちゃいけない。ちょこっとだけつけるなんて上品なことはせずに、美味しい量だけつけるのだ。

 「アフタヌーンティー」という言葉は日本でも耳にすることが増えて、三段がさねのお皿に、サンドイッチ、スコーン、ケーキが載っていて、紅茶と一緒にいただける。結構高級な軽食である。でも、紅茶とスコーンだけという「クリームティー」はなかなか日本でメジャーではないようだ。「クリームティー」は、紅茶に牛乳の代わりに生クリームを入れたもの、ではない。アフタヌーンティーの一種ではあるのだけれど、ただ紅茶とスコーンをいただくその組み合わせのことを、クリームティーと呼ぶことが多いようだ。だいたい、日本のジャムはイギリスのものよりもうんと甘さが控えてあるし、そもそもクロテッドクリームがあまり流通していない。成城石井みたいなところで売っているクロテッドクリームは、ちょこっとしかないのに、高い。甘さ控えめのジャムとスコーンでは、紅茶に対して物足りないのかもしれない。スコーンそのものが手軽に作れても、やっぱりイギリスのように戴くわけにはいかないということだろうか。

 

 スコーンといえば、コイケヤのスナック菓子に、スコーンというのがある。「和風バーベキュー味」のスナック。コイケヤのウェブサイトによると、こちらのスコーンの名前の由来は

一度聞いたら忘れられない響きと、『スコーン』とヒットするように願いを込めて付けられました。

ということらしい(コイケヤ お客様からのご質問一覧)。「スコーン」とヒット、なんだかスナックのような軽やかさがあって、良いなあ。イギリスのスコーンも好きだけれど、こっちのスコーンも好き。これと紅茶でクリームティー・・・とはさすがにいかないけれど。