トンコツ!

 近くのスーパーで、豚の軟骨を買った。大根と一緒に、こっくり甘めに煮るために。下茹でとして、豚の軟骨をたっぷりのスライス生姜と、ちょっとしか無かったネギと一緒に圧力鍋で30分弱加圧して、茹で汁から出し、調味料と、別に下茹でした大根と一緒にまだ圧力鍋で20分。あとはそのまま、圧力鍋に入れておいて、じっくり余熱で調理。

 豚の下茹でに使った生姜とネギが残った茹で汁を、ボウルにとっておいた。豚と生姜の、なんとも良い匂いがして。それで小さめの食器に、めんつゆをちょこっと入れ、茹で汁をおたまでひとすくい加えてみたら・・・トンコツ醤油ラーメンの味だ!そうだ、トンコツ出汁ってこうやって取ってるんだなあ、と改めて納得させられてしまった。

 よく考えたら、鳥ガラの出汁も、同じような感じだった気がする。オックスフォード在学中、学期末に日本人や日本研究関連のひとたちで集まって鍋パーティーをすることになり、そのときに鳥ガラ出汁をとるところからラーメン作りを実践したんだった。まる一日かけて、出汁を取った。たしか、有名ラーメン店風の味を再現できるレシピみたいなのを検索して、かなり凝ったことをした気がする。かなりの人数がパーティーに参加したから、ラーメンは一人一口くらいしかなかったけれど、イチからラーメンを作るという経験は、面白かった。

 

 さあ、いま手元にあるボウル一杯のこの茹で汁を、どう使おうか。それこそほんとにラーメンを作ってみても良いし、何か他にも使えるのかしらん。粗熱をとったら、容器に入れて冷蔵庫で保管しておこう。数日はもつと予想。メインで作っているのは豚の軟骨の煮込みだし、こちらはただの茹で汁だと思っていたら、トンデモナイ副産物ができあがった。美味い。茹で汁の活用法をしっかり考えてみようと思う。

 もちろん、豚の軟骨の煮込みも美味しくできた。