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だいがくいも

 人へのお土産に、大学芋を持っていくことが増えた。浅草に、美味しい大学芋が買えるお店があるのだ。大抵、喜ばれる。芋も美味しいが、たっぷりとかかっている蜜が、スプーンですくってそれだけで舐めたくなるくらい、旨い。蜜の甘さに、ゴマの香ばしさが漂い、歯に触るゴマの歯ざわりも小気味良い。

 もともと赤門とか早稲田大学とかの近くで揚げた芋に蜜をかけて売るようになったから、「大学」芋と呼ぶらしい。どうも不思議な名前だと思っていたけれど、大学の近所で売られたからなのか。じゃあ、もし浅草が発祥だったら、観音芋になっていたのだろうか?

 芋に対して、蜜をたっぷりかけるから、多くの場合蜜が余る。そうすると、翌日に自分で芋を買ってきて家で揚げて、またその蜜に絡めて大学芋にする。実家に大学芋を買って帰ると母がそうするようになった。先日また地元に戻ったのでよく可愛がってもらっていたお家にも買って帰って、たいそう喜ばれた。よく考えると、石焼き芋は売ってても、大学芋ってあまり売っていない。自宅ではふかし芋の方が多い。そうすると、自分で全部作らない限り、美味しい大学芋って食べる機会がないのかも。冷凍の大学芋も売っているけれど、やっぱり、冷凍ではあのたっぷりの蜜を楽しむと言うわけにもいかない。そうすると、やっぱりお土産にちょうど良い食べ物なのかも。

 

 オススメは、二店舗ある。一つは、さつまいも専門の老舗、「千葉屋」。駅から少し離れてしまうのが玉に瑕だけれども、とにかく味が絶品。ゴマもたっぷりかかって、ついいくつも食べてしまう。

 もう一つは、「おいもやさん」。ここは、テレビでも紹介されるようなお店で、こちらも明治9年創業という老舗。季節によって、その時美味しい芋を使って大学芋を作っている。ここはオンラインでも売っていて、お取り寄せができるようだ。

 

 そういえばわたしの生まれは千葉の幕張なのだけれど、通学路に、小さい「昆陽神社」というのがあった。江戸時代、青木昆陽が幕張の地でサツマイモの栽培を試し、飢餓対策として大いに貢献したことから、ここに祀られている。以前は古くてほんとに小さい神社だったのだけれども、ある時綺麗に新しくなり、また場所も移動して広くなった。

 小学生の頃は、近所の農家さんの畑をお借りして、芋苗植えと、芋掘りをさせてもらった。幼稚園の頃は、園庭の一角に畑を作って、サツマイモを栽培して、やっぱり芋掘りをした。それを一人数本ずつ、持ち帰らせてくれるのだ。そう考えると、幼い頃からサツマイモに親しんできたんだなあ。

 サツマイモに縁を感じると、さらに大学芋も美味しい。多くの人の命を救った食べ物なんだ。ありがとう、ありがとう。