「語らない」ということ

今日は、ひとつの大きな一段落の日だった。 人と濃く交わって感じるのは、いろいろな人が秘めた思いを抱えていて、機会があれば語りたいと思っていること。でも、なんらかの理由で、語らないという選択をしているということ。もう一つ気付いたのは、「語らな…

カレーとおでんとポトフと鍋と

大ぶりの鍋が活躍する季節。カレーも、おでんも、ポトフも、鍋も、どれも食べたい季節。細かい調理は気にせず、とにかく具材を切って、鍋に放り込んで煮込む。いっぺんにたくさん作ってしまえば、翌日にラクができるから、積極的に取り入れたいメニューだ。 …

干し柿一日目

昨日のブログを読んで、さっそく母が連絡をしてきた。「面白かったよ」とかそういう感想ではない。「干し柿なら八百屋で売ってる普通の柿をスライスして干せば作れるんじゃない?今日みたいな、お日様が出てて風が吹いている日は、何かを干すのに絶好の日だ…

干したい気持ち

先日、100円均一に行ったら、干物を作るための網が売っていた。100円均一という割には、最近は200円とか300円の商品が多い気がする。干物用の網は、150円だった。物干し竿なんかに吊る下げられるよう紐がついていて、平らに野菜などを並べて干せる。周り全体…

どんな街に住んでいる?

短期記憶を保つ力が弱くなった祖父は、会うたびに「今はどんな街に住んでいるの?」とわたしに聞いた。「イギリスにいたときは、どんな街に住んでいたの?」なども聞いていたから、わたしがイギリスにいたことは、深く印象に残っていたのだと思う。会うたび…

お休みの音

今回はブログ投稿をお休みしようとも思ったけれど、「休む」という言葉について考えているうちに色々と思考が派生したので、少しだけ書こうと思う。 「休む」というのは、楽にすること。かといって、「何もしないこと」だけが「休む」ではない。そのときに楽…

ミミが美味しい

小さい頃、近所の友達とスイミングスクールに通っていた。たいてい一緒に通う友達のママが車で送ってくれていて、帰りには時々、近くのパン屋さんに寄って、翌日の朝ごはん用のパンを買って帰ったものだった。 あんぱんとか、メロンパンとか、クリームパンと…

50円玉とパンツのゆくえ

今日、数日ぶりに例のコインランドリーへ顔を出した。先日、パンツと50円玉が忘れ去られた、あのコインランドリー。ふと、あの50円玉がどうなったか気になったからだ。 結論としては、どちらも、なくなっていた。あのおじいさんが持って行ったのか、管理人が…

足湯の作法

冬は足元が冷えやすい。お風呂を入った後でも、しばらくすると足先が冷たくなっていたりする。そういうときの、簡単な秘策が、足湯だ。うちのお風呂場には、ちょうどカカトからつま先までが入るくらいのサイズの金だらいを置いている。せいぜいくるぶしくら…

日本の師走

暦を睦月、如月、弥生・・・と数えない現代の日本社会でも、師走という言葉はよく聞く気がする。あとは、神無月も、出雲に全国の神様が集まっちゃうから神無月、という謂れとともに聞くことはあっても、やっぱり「師走」ほどは聞かない。 街中では、クリスマ…

50円玉とパンツ

いよいよ師走に入り、気温も下がってきて、晴れた日でも日当たりによっては洗濯物が乾かなくなってきた。今年の冬は、できたばかりの近所のコインランドリーが早速活躍している。 そこのコインランドリーは、洗濯は200円から。乾燥は10分100円。ものごとは全…

敏感ドラマー

わたしは結構音に敏感な方だと思う。高い音とか、大きい音、あとは時計の秒針など規則的な音も苦手だ。何かがきっかけで敏感になりすぎると、隣の部屋の壁にかかっている時計の秒針まで聞こえてしまう(と感じていた)ほどだ。映画館も、音が大きいから苦手…

共食い?

以前、人に「猛禽類のエサって何を食べさせるの?」と聞かれて、「ウズラのお肉を食べさせるところが多いんじゃないかな」と答えた。そうしたら「ウズラって、ウズラの卵のこと?」と聞かれたので、「そうじゃなくて、そのウズラの卵を産む、鳥の方だよ」と…

ほ・た・て

北海道滞在中、小樽の三角市場に立ち寄った際に購入したホタテとホッケが、クール便で届いた。さっそく夕飯に、夫と二人で一枚ずつ、ホタテをお刺身で戴いた。 お、お、美味しい〜〜〜!口に入れた瞬間、ホタテの甘みを感じられる。ホタテの味が脳に直接届い…

ノスリだった

先日載せた、鳥の写真。これを、いつもお世話になっている猛禽類マスターに見ていただいた。 ノスリだろう、とのこと。ネズミなどの小動物を捕食することから、鷹狩りには向かないと言われるし、その色から「馬糞鷹」なんて呼ばれることもあるしで、なんとも…

夜の空港

乗り物の運賃は一筋縄では読めない。電車ならば、どの駅からどの駅までいくら、というのはいつも決まっているし、いつ調べたって値段は変わらない。でも、タクシーは地域によって初乗り料金が違うし、日中に乗るのと深夜に乗るのとで値段が変わる。 値段の変…

クィディッチ部

わたしは日本の大学を卒業したその年の秋から、オックスフォード大学の大学院に進学した。入学して最初の一週間くらいは、オリエンテーションやガイダンスの期間で、大学にある部活の紹介などもあった。一つの大きな建物に、いろいろな部活が集まって、新入…

スベらない話

普段文章を書いていて、あるいは人に話していて、なかなか一つのエピソードを自信もって「これはスベらない話だ」と言えるものはない。でも、今日のは実際、スベらない話だと言いたい。 おとといの夜から北海道に来ているのは書いた通りだけれど、今日は小樽…

寒すぎ北海道!

夫の実家の帰省ということで、北海道に来た。昨日の夜に到着。早速、ラーメンやら寿司やらとにかく食べる、食べる、食べる!の丸一日。 昨日は東京は20度近い気温で、久々に暖かい!と思える一日だった。それなのに。北海道に来てみれば、最高気温がマイナス…

Happy New Yearは数えられるか?

年賀状の季節になった。近くの郵便局では、さまざまなデザインの年賀状を売り始めている。といっても、わたしとしては年賀状という文化からだいぶ離れてしまっているけれど。それでも、せっかくハガキを書くという趣味を始めたのだから、今年の暮れは年賀状…

飛行機の思い出

先日までは北陸に行っていたが、明日からは北海道だ。北海道へは、飛行機でいく。小さい頃から親が海外で仕事をする機会があって、それについていかせてもらったことがあったこと、それに比べて飛行機を使った国内旅行が少なかったことから、国内線の飛行機…

誰のためのヌードルハラスメント議論か

いま、「ヌードルハラスメント」なる言葉が話題に上がっているようだ。日本人がラーメンをすする音が、日本に観光に来た外国人にとっては「音のハラスメント」になっているらしい、ということだ。まさに、以前、イギリスでわたしが気にしたことに近い。 話題…

絵葉書が少ない

ようやく、旅から帰ってきた。初めての北陸は発見も多く、とても楽しかった。 せっかくハガキを出すことを新しい趣味にしたので、旅先で素敵な絵葉書を買って、いろいろな人に送ろうと思って楽しみにしていた。でも、そもそも、いわゆる観光地のお土産やさん…

ぢちち

金沢から、能登に移動してきた、北陸の旅。いわゆる温泉宿に来た。 温泉の後は、もちろんビンに入ったコーヒーミルク!と思ったら、目に入った、ぢちち! ひらがな表記では「じちち」って書いてあったけれど、「地乳」なら、本来は「ぢちち」だろう。 ぢちち…

トンビかタカか

金沢に旅行に来た。金沢といえば加賀百万石。古くから文化が栄えた町で、その落ち着いた美しさ、磨かれた歴史、美味しい食を大いに楽しんでいる。 ひがし茶屋街を歩いていたら、神社を見つけた。そこは、卯辰山(うたつやま)で鷹狩りをしていた前田家のお殿…

木工で遊ぶ:立体図形の問題

何年か前に、「一本の材木から、じゃらりと連続した鎖を作るができる」というのを聞いた。 これが、 (材木屋さんのサイトから写真お借りしてます) こうなる こんな風になる(さすがに金属光沢にはならないが) 一本の材木が、鎖になるのだ。カッコイイ。そ…

文化人類学こわい

大学に入ってから、ほとんどゼロベースで文化人類学を学び、これまでにはいくつかのフィールドワークも実施してきた。今日、ひさびさに文化人類学という学問について考える機会があったので、改めて考えたことを、すこし文字にしてみようと思う。 といっても…

オトナとコドモの定義

オトナとコドモを分ける定義は、いろいろ存在する。生物学的にも、社会・文化的にも、法律的にも定義ができるし、時代が変わればその定義も変わる。 でも、仮にここで、「乳歯が永久歯に全て生え変わったかどうか」をオトナとコドモを分ける境界としよう。そ…

【最終章】PPAPについて【可算・不可算】

これまで、二度ほどPPAPについてブログを書いてきた。一度目は、まじめに、冠詞について。二度目は、PPAPから派生した、いろいろなアレンジなんかについて。今回で、三度目となる。まさか、最初に観たときは、わたしが三度もこれについて記事を書くことにな…

言葉が分かるもの同士の安心

昔、アメリカに住んでいたころに通っていた小学校は、私のような、英語が母語じゃない生徒を受け入れ、英語を外国語として学べるクラス(English as a Second Language / ESL)をもっており、私もそのクラスに入っていた。ふだん、体育や音楽、算数などの授…